2020年5月24日日曜日

和田川 カンパ谷








 残雪期にはそれなりに人気のある鳥ヶ尾山だが無雪期に登る登山者はまず居ない。確かに雪を利用して山頂をゲットするのはスマートだが、それでは自然環境がどうなっているのか良く解らない。濃密に山と関わろうとするならばやはり沢登りスタイルが好適なのである。 
 カンパ谷は有料道路を利用せずとも鳥ヶ尾山山頂へ至ることができる貴重な谷だ。地形図で谷が狭まっているところも全く威圧感は無く、小滝をいくつか快適に登るのみ。取り立てて困難な点や危険な点は無い。慎重に読図して西肩へドンピシャで出れば、意外なことに開けた展望地のコルとなっている。少々藪を漕いで三角点の山頂へ到着すると素晴らしい展望が眼前に広がる。あまりこちらの角度から観ない鍬崎山の雄姿が印象的であった。

 鳥ヶ尾山へ登るためにカンパ谷を選んだもう一つの理由は岩の観察が面白そうであったから。地質図では出会いから3種類の岩石種が描かれている。さらに鳥ヶ尾山頂上周辺の地質図の書き方はデイサイト・流紋岩の分布がトトロ(宮崎駿の)みたいな形になっていて奇妙である。結果、確かに3種類に大別される岩が観られた。その現れる標高帯もかなり正確に描かれていて、どうやって調べたのか気になるところである。こうなったらトトロの部分を延々トラバースして調査したら面白いかもしれない。本当に描かれている通りならば、夢だけど夢じゃなかったを絶叫連呼だね。

<アプローチ>
亀谷発電所に駐車し、本流をちょっとだけ下降するとカンパ谷出合いに到着する。水量が少ないので見逃してしまいそうなので注意。なお、出合いの左岸に堰堤を巻ける道がついていた。筆者らは鳥ヶ尾山山頂を踏んでから、一本西の林道が上部にまで拓けれている沢を下降した。この沢への下降点まで尾根を辿るのだが、平坦な地形と藪のため中々難しい。カンパ谷を詰め上げた鳥ヶ尾山西肩コルは開けていて、良い目印になるので同ルート下降をすれば迷う事は無い。

<装備>
下降用にロープ

<快適登攀可能季節>
5月~11月

<温泉>
亀谷温泉白樺ハイツ:有峰林道方面へいったらお馴染の温泉。本当に温泉か?というほどさらりとした泉質。