乳川谷流域で最も快適で楽しい沢登りができるのはヨセ沢だと思う。ちょうどいい水量で水を浴びながら程よいクライミングを堪能できるのが良い。ヨセ沢は馬羅尾山へ抜ける左俣、清水岳へ抜ける右俣に分かれる。筆者はどちらも登ったが甲乙つけがたい面白さがある。
ヨセ沢に入りいくつかの滝を登って快適に進み右俣へ入ると二条20mくらいの大滝が現れる。ここから地図通り連瀑帯となる。左は支流の沢なのだが、巻きのラインは左の滝から取りつき沢を横断する方が楽である。直登もできそうだが岩は脆そうでちょっとやりたくない。いくつか滝が現れるが、どれもそれほど悪さは無く楽しく登れる。ハンドジャムしてちょっとワイドっぽいクライミンもあり良きところ。筆者らは南沢を下降するため、1854mの本流には向かわずに1800mを右に入る。ここから傾斜が緩むまで再びシャワータイム。少し脆い個所も出てくるが基本的にプロテクションは良好で安全なのがいい。ひどい藪漕ぎはなく尾根に抜けられる。南沢の下降も結構渋くて時間がかかる。日の長い時期に早朝出発で南沢下降を日帰りでやればお腹いっぱい楽しめるだろう。<アプローチ>
乳川谷の右岸側の林道に駐車する。左岸より右岸側の方が道が整備されており、地図の登山道マークは実は林道で車高が高ければ走れる。標高1060m付近の橋が崩落しているのでそこが広場となっており車で入れる最奥となる。下降した南沢支流は上部はガレで容易なものの、1678m手前くらいから滝が現れ始め巻き降りと懸垂を要するようになる。水量は豊富で迫力が出てくる。下部はゴルジュ帯となっており登るのもなかなか面白そう。
<装備>
カム一式、ピトン少々。ヨセ沢内はぬめるのでフェルトの方がいい。
<快適登攀可能季節>
6月下旬~10月。雪が少なく標高も低いのでシーズンは長い。ただし、乳川谷の水量は多めなので注意。
<温泉>
すずむし荘:単純弱放射能温泉(ラドン温泉)でさっぱりとしたお湯。内湯、露天ともに綺麗で快適である。
すずむし荘:単純弱放射能温泉(ラドン温泉)でさっぱりとしたお湯。内湯、露天ともに綺麗で快適である。