2016年3月1日火曜日

下又白谷前壁






下又白は上高地の岩場の中では比較的マイナーな場所である。菱形岩壁などはガイド本で紹介されているものの、岩質の悪さから訪れる登山者は稀なのかも知れない。秋の本谷は穂高では数少ないゴルジュとして愛好家に知られている。本谷の入り口は広くなっているがやがて急に狭まり、北側に急屈曲する。その屈曲点に有るのが下又白前壁である。傾斜はとても緩いが意外に大きいこの壁はベルグラと雪壁登りがそこそこのスケールで楽しめる。遠いのでわざわざこれだけを登りに行く必要は無いかもしれない。屏風岩や赤沢山を登ったついでに登る、或いは、ここから明神東稜に繋げてパチンコの開始点にしたりと、他の計画と組み合わせることで真価を発揮する場所なのかもしれない。

<アプローチ>
坂巻温泉に駐車。後は林道歩きで徳沢まで。下又白入り口からデブリが出てて非常に歩きづらい。日中の日当たりが抜群の岩場なので、冷え込んだ時か昼過ぎからが登攀適時。雪崩のリスクが高い場所なので降雪直後は注意。下降は右側の藪を繋いで懸垂。左側のラインも適当な間隔で藪が有った。菱形岩壁周辺は日当たり抜群な上、ゴルジュ通過のリスクも有り冬季に登られる事は無さそう。ちょっと目立つ氷は有ったけど。
坂巻温泉まで富山大学からおよそ2時間20分

<装備>
登るラインにもよるが、スクリュー5本程度と小さ目のカム、ピトンくらい有れば良さそう。

<快適登攀可能季節>
12月~3月上旬。雪が着いていなくて氷が張っているとき。意外と早い時期のほうが楽しめるかもしれない。

<博物館など>
穂高岳周辺の地質は原山智・山本明著『「槍・穂高」名峰誕生のミステリー』に詳しい。熟読してから登れば穂高周辺の登山が六百倍楽しくなるはず。

<温泉>
坂巻温泉、平湯温泉

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