2016年7月5日火曜日

初河谷~倉谷










石徹白という目立たない土地柄のせいか初河谷が話題に上ることが少ない。しかし八反滝を筆頭に端整な滝と2つのナメを擁する白山でも指折りのキラキラ渓だと思う。地形図では4つの滝マークがあり、その最後の滝からナメが続く。序盤は白い岩に水が輝く大きなナメ。後半は赤みを帯びた岩盤に緑の苔がびっしり生えたナメ。八反滝の巻きはやや悪いものの全体を見れば入門者向けの谷ではないか。稜線は深い藪に覆われているので下降は谷になる点も良い経験になるはずだ。

倉谷は一本北側なだけでこんなに違うのかというほど岩質が違う。ザラザラ触感の橙色ゴルジュに赤マーブル模様が施されていたり、ポコポコと丸っこい礫が疎らに埋まっていたりと楽しい。堆積岩と火山岩が不連続に出てくる印象である。




ここで出会う岩魚はヤマトイワナだが紀伊半島のキリクチと同じく遺伝的に珍しいタイプと聞く。もし釣っても、繁栄を祈念しながらリリースするとしよう。

<アプローチ>
車を八反滝遊歩道の駐車場に停め遊歩道を歩き八反滝から遡行を開始する。下降は北側の倉谷を降りる。初河谷を詰めあがって丸山まで登ると笹薮が酷いようだ。より快適に楽しみたいのであれば、苔ナメを堪能し戻って標高1400mの支沢から稜線に上がると殆どヤブを漕ぐ事なく倉谷に降りる事が出来る。早めに出発すれば余裕を持って日帰り可能だと思う。富山からだと高鷲インターで降りて石徹白へ向う。東海北陸道利用で富山市内からおよそ2時間

ところで白山中居神社は美濃馬場~白山中宮長滝と繋がる白山禅定道の基地として天長9年(西暦832年)から有るらしい。白山信仰が泰澄によって体系化されたのが西暦717年頃だそう。木曽義仲も参拝したそうな。

<装備>
最初の滝の巻きとナメの手前にある滝が少し悪いので念のためロープ

<快適登攀可能季節>
7月~10月

<博物館など>
日本土鈴館:土鈴(どれい)とは土で出来た鈴である。優しい音色と暖かい感触が売りのアイテムだが、有っても無くても生活に支障は無い。そんな代物をとことん集めた白鳥にある博物館である。全国各地から集めた量は圧倒的だ。土鈴だけではなく河童や観光提灯、郷土玩具を展示してるが時おりエロもコソっと。その辺りとってもチャーミング。

石徹白の大杉:立ち枯れながら、なお屹立する姿に涙腺が緩む。登山の終わりに必ず訪れてほしい。




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