2016年8月7日日曜日

御嶽山 濁河川 椹谷












御嶽山西面は流程規模が大きく美瀑を秘めた渓が揃っている。御嶽山の火山活動は約80万年~40万年前の古期活動と、5万年前~現在の新期活動に分けられる。これらの溶岩流は御嶽山の活動以前の白亜紀に形成された濃飛流紋岩の上に流れたと考えられている。そのためだろうか、標高を上げるにつれ川床の岩が変化し楽しい事この上ない。溶岩流の粘度や冷却速度を推し量り、その時代の情景を想像しながら遡行したい。

椹谷はゴルジュの幻想的な滝から始まり、苔の大滝、豪快な直瀑、幾何学的なねじれ滝、美しいナメと渓谷美の総てを備えている。観たところ下部は玄武岩~安山岩質なようだが、上部に行くに従い流紋岩質になっていった気がする。遡行時は水量が多く巻きメインとなったが、減水時には水際の直登も可能ではないか。支流の孫八谷は広大なナメに終始する谷で、巻きで疲れた体を癒すには最高だ。明るいナメは余りの気持ちよさにゴロリと横になりたくなる程である。黄色ナメから後半の黒ナメへ変化にはきっと驚くはず。下山の長い林道歩きも楽しい思い出とともにならば、全く苦に感じない。経験者の下であれば、沢慣れしていない人も楽しめる秀渓だ。

<アプローチ>
国道41号線から小坂方面へ行き巌立展望台駐車場に駐車。椹谷林道が空いている場合は、更に奥まで車で入れる。下山は林道を利用する。泊まり場はそこそこのものならば随所にある。早朝に入渓すれば日帰りも可能。

巌立まで富山大学からおよそ2時間30分。

<装備>
巻きメインであれば岩のギアは殆ど出番が無い。水量が少ない時期を狙って直登するならば一式。巻き道がしっかりしている滝も有れば不明瞭なものもある。

<快適登攀可能季節>
7月~10月。8月に行ったら御嶽にもオロロが多く生息していて驚いた。水が冷たいので秋は厳しいかもしれない。

<温泉>
ひめしゃがの湯:含鉄ナトリウム炭酸水素泉で源泉は冷泉。水面近くは炭酸ガス?でむせる。冷泉なので夏は外気に暖められるため、溶解度低下により二酸化硫黄が出てるんじゃないかと心配になる。

<グルメ>
41号沿いにぽつんとある食堂峠屋は24時間営業でボリュームもあり美味しい。

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