2017年4月17日月曜日

大辻山





滝は自らの流れによって岩盤を削り、日々わずかながら後退している。弥陀ヶ原台地は約10万年前の立山火山活動によって形成され、溶岩の末端は立山町小見まで達したと考えられている。称名滝は弥陀ヶ原の形成に伴い千寿ヶ原で誕生した。誕生日から後退が始まったとして、千寿ヶ原から現在の称名滝の場所まで約7kmなので単純計算で年間平均にして10cmの速度で後退している事になる。換言すると、称名川ゴルジュは年間10cm短くなっているともいえる。それにしても10cm/年とはかなり速いのではないか。人生80年とすると、人の一生の中で8mも下がっているのだ。

大辻山から立山を望むと称名滝によって侵食された溶岩台地がばっちり観察出来て嬉しい。側壁の急峻さは反対の真川側とは比べ物にならない。仮に20分間山頂にいて、弥陀ヶ原を眺めていたのならば、その間に称名滝は約3.8μm後退している事になる。ひと時も同じ姿を見せない、無常と空をしみじみ味わえる山頂だ。

話は変わるが、鍬崎山の北面には大追戸谷という滝が続く素晴らしい沢がある。この谷は雪が着くと滝は埋まり凄い斜面となっている。

この谷は山スキーのルート対象にはならないのだろうか。山頂からダイレクトに滑る美しいラインのように思える。誰か滑っているのだろうか。

<アプローチ>
無雪期は沢登り気分の白岩川ルートや南面の沢を登るのもよし、国立立山青少年の家から登山道を歩くもよし。積雪期ならば適当な尾根から直接取り付いたほうが楽な気がする。

<装備>
季節に応じた山歩きの恰好

<快適登攀可能季節>
1月~12月。いつ登っても楽しいと思う。ただ、残雪期に林道が閉鎖されていると歩くのがやや面倒。

<温泉>
ホテル森の風立山、吉峰グリーンパーク

<博物館>
立山博物館:別館まんだら遊園の異空間を一度は味わってほしい。
カルデラ砂防博物館:マイフェイバリット、治水の恩人ヨハネスデレーケの展示もある。

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