2017年12月4日月曜日

不帰西面 Ⅲ峰西尾根






不帰Ⅲ峰西尾根。はて、どこかしらと怪訝な顔をされるかもしれない。Ⅲ峰西尾根なんてルートは登山大系などのガイドには載っていない。それもそのはず、筆者が勝手に名づけた尾根名称なので誰も知る由はない(と思う)。

岩場の末端はフェースになっていて取り付きにくいので、南側の凹角から登り始める。出だしは被り気味で少々思い切りが要る。そこからはベルグラを使った岩登り。支点は良好で冬壁の楽しさが詰まった核心ピッチだ。1P目の終了点からは少々歩いて次の岩場へ。岩尾根の末端は風化の激しい花崗岩だったので側壁のルンゼから登る。被り部分は藪にアックスをブッ刺して乗り越す。あとは快適にロープを伸ばし小テラスまで。続く凹角状の岩場を登れば、Ⅲ峰へ続く雪稜となる。振り返れば剱岳と富山湾の青。最高のロケーションだ。

Ⅱ峰西壁への取り付きを間違えて取り付いた尾根だったが、岩の質は上々で素敵な偶然であった。アプローチの間違いは福音である。周囲を見渡して岩場はないか、ピークに繋がる尾根はないか。真剣に登る対象を探すそのとき、登山の滋味を掬するのである。

<アプローチ>
Ⅲ峰から北に向かって直ぐのルンゼを下降する。周辺に顕著な岩壁が少ないので取り付きは解りやすい。2500m付近の岩場マークが西尾根の岩壁部分に該当する。八方まで富山大学から下道で3時間と少々。

<装備>
カム、トライカム少々。ピトンは使わなかった。

<快適登攀可能季節>
12月~3月。西面なので雪が締まっている事が多いはず。八方尾根のアプローチも良いので厳冬期でも割と登り易いと思う。短くて気軽に取り付けるので初冬の足慣らし、雪稜と組み合わせての継続登攀など良いかも。

<温泉>
みみずくの湯:日本有数の強アルカリ泉です。周辺の温泉は有名。入って損は無し。
倉下の湯:みみずくの湯を含む白馬八方温泉とは源泉が異なり、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。価格も同じ600円なので気分応じて入り分けられる。

<グルメ>
グリンデルというレストランのベーコンステーキが秀逸。小洒落た雰囲気だが、汚い山ヤが居ても違和感無く食事が出来るのは白馬ならでは。白馬駅近くのおおしもはカレーライスの量が凄かった!ききょう屋という寿司屋の焼魚定食もおいしい。

<博物館>
富山への帰りしな、糸魚川有るフォッサマグナミュージアムは素晴らしい。ここでは石の鑑定も行っているので、山で見つけた気になる石を鑑定してもらおう!(一人10個までです)

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