2018年7月29日日曜日

千丈峰 田海川 倉谷大ギラ















千丈峰は1000mにも満たない低山だが、「ギラ」と呼ばれるスラブを幾枚も重ねる強烈な山である。ギラという名前はこのスラブに雨水が掛るとギラギラ光って見えるから命名されたようだ。ギラは大、中、小と位置する沢筋によって分類されている。地形図には大、小のみが記載されているが千丈峰へダイレクトへ突上げる沢が中ギラである。スケールとしては概ね大>少≧中であり、傾斜は中>小>大な印象である。

さて、大ギラ沢はいきなり大滝(藍甕の滝)で始まる。この巻きは難しくない。この上からは素晴らしいゴルジュ帯だ。CS滝から登攀が始まる。直登も可能だろうが筆者らは左岸トラバースを中心に突破した。概ね岩は硬く支点はばっちり効く。ゴルジュ内に戻ると釜を持った小滝も続き面白い。やがて現われる35m大滝はシャワーからの左岸フェース登攀となり登り応え十分。慎重に支点を探れば安全に楽しめるだろう。ゴルジュ帯を抜けると大ギラご本尊が姿を現す。ギラギラ後光が差すコンディションでは登りたくない一枚岩である。幾枚もあるがどれを登っても殆ど内容は変わらないように思えたので、沢のどん詰まりにあるギラを登った。標高差100m~150mのスラブをノーロープで快適に登る。これが何とも爽快である。帰りの藪漕ぎを含めて総合的に登山を楽しめる素晴らしい低山である。

<アプローチ>
岡~倉谷間の林道は良く整備されていて快適に通行可能。青海側から登って、右側に車通行止めがある場所に駐車する。地形図では林道は繋がっていないが全線開通している。車止めから、歩道を歩き堰堤をのっこして入渓。稜線に出てからの下山路は南側の沢へ下降するか、東尾根を下降する。どちらも林道に出られるので簡単に戻る事ができる。入渓点まで富山市内から国道8号線経由で1.5時間くらい。

<装備>
カム一式、ピトン各種(5~6枚ほどあればいい)。ラバーソールが断然有利である。沢タビ+クライミングシューズでもいい。

<温泉>
帰りしなならば、朝日町の境鉱泉、たから温泉、地中海などナトリウム泉の温泉がある。500円くらいで入浴可能

<快適登攀可能季節>
7月~11月。虫が少なく快適な時期がよい。スラブ帯の登攀は晴天時が快適だ。

<グルメ>
たら汁が名物だが、はっきり言ってそれほどでもない。量を食いたいのであれば「きんかい」で定食のご飯大盛りを注文しよう。日本昔話級のてんこ盛りが食える。宮崎海岸のヤマザキショップは定食屋に負けないほど美味しい大盛りカツ丼弁当が500円程で食える穴場。

<博物館>
糸魚川有るフォッサマグナミュージアムは素晴らしい。ここでは石の鑑定も行っているので、山で見つけた気になる石を鑑定してもらおう!(一人10個までです)

翡翠園:散策可能な日本庭園。よく考えられていて、どこから見ても趣が有る。島根県足立美術館の作庭が有名な中根金作による庭園である。構成から考察するに、彼はあの巨大なヒスイ原石を嫌悪していたのではないかと邪推してしまう。

玉翠園:同じく中根金作による庭園。こちらは観覧庭園でガラス越しにしか眺めることは出来ない。柔らかな丘による高低が印象的。

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