2019年12月11日水曜日

宝剣岳西面 第二尾根






「カレーライスばっかりじゃなくて、たまにはハヤシライスやハッシュドビーフも食べたなるしねぇ」という著名人の発言が話題になったのは今年だっただろうか。発言の背景はさておき、確かにそうだなぁとしみじみ思う。冬季は北アルプスや頸城など近場の山で十分過ぎるほどに楽しめてしまうので、ほかの山域は足が遠のく。こんなにも美味しいカレーライスだが、宝剣岳というハッシュドビーフもたまには食べたい。

宝剣岳第二尾根はスケールが3Pと小さいことを除けば充実の内容。見た目もかっこいい。岩稜系なので取り付きが明確ではないのだが、面白そうな場所から適当に開始しても問題ない。意外にもちょっとした凹角に氷が発達しているのが特徴的。これによりエビの尻尾や氷でホールドが埋まり、面白いミックスクライミングとなる。物足りない場合は西面でも東面でも、おかわりすればスケールは補える。近場のコンディションが思わしくないとき、十分訪れる価値があるラインである。でも、不貞行為は程々にね。

<アプローチ>
上松尾根を利用する事をお勧めする。厳冬期なら場所柄くそラッセルになることは少ないと考えられる。前日深夜に出発すれば入山日に一本登ることも可能。幕営場所は玉ノ窪小屋陰にテントを張ることが出来る。風当たりは強め。ロープウェイを使うと登山の趣も無いし、お金は掛かるし、時間を気にしないといけないし、体力は低下する。などなど善くない事が多い。標高は自分の脚で上げよう。
取り付きへは登山道を歩いて天狗岩を過ぎてからすぐのルンゼを下降する。このルンゼの直接取り付きへ向かう方面が凄く急でかなり怖い。緩やかな本流ルンゼをある程度下降したのち小尾根を乗り越し懸垂して取り付いた。

<装備>
カム一式、ナッツ少々、トライカム少々

<快適登攀可能季節>
11月下旬~5月。良く知らない山域だがこれ位の期間は快適そう。

<博物館など>
妻籠宿:中仙道の宿場町を保存して観光地化してある。いかにもな観光地。おばちゃんの解説はさながら噺家であり職人技である。内容は非常に興味深い。そして歴史資料館も秀逸である。斜に構えて行かないのは損。

義仲館:木曽義仲の資料館。県民には火牛の計で御馴染み義仲公である。旗揚げまではこの地で育った。ここから北陸道進撃が始まったと思うと感慨深い。

寝覚ノ床:木曽川の流れと方状節理が生み出した景勝地。一見の価値あり。裏寝覚め~寝覚めまではボルダリングも可能。お勧めの課題は一斗の缶。

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