2022年2月2日水曜日

焼山(朝日町)

 





 山は低いほど、人とつながりが深いほど物語としての面白みがある。そしてそれは現代の世情とはかけ離れたところに真実がある。
 焼山は以前から気になる山だった。同じ名前の頸城の焼山のように「焼」という名称が与えられる山の殆どが火山と察する。この山で火山活動は有史以来無かったはずだ。なぜ焼山とう名称が与えられているのだろうか。焼山周辺の山域を俯瞰すると大鷲山~黒菱山~初雪山~越道峠までの稜線は広い台地状が続いている。この辺りは太美山層群の分布地帯であり越道峠以西の花崗岩地帯と明らかに地形が異なっている。そしてこの山域には登山道が無い。これでもう登らない理由は無い。
 大鷲山から先の稜線に密生する藪は手ごわい。12月に訪れたために完全に埋まり切っておらず足は取られるわ、視界は奪われるわで苦しい。もちろん焼山山頂も物凄い藪。でも、だだっ広い稜線と海の光景はこれまで登ってきた山との違いが際立っていて嬉しい。北東には水上谷。そうか、この山の麓では大平集落によって焼き畑がなされていたのかもしれない。水上というのはこの周辺で上り下りしやすい谷に付与する場合が多い。南側に大きな山があり、日当たりに乏しい立地から、近くの緩やかな地形で焼き畑を行っている姿は想像に難くない。栽培品種は稗だろうか。文献調査と聞き込みフィールドワークは今後の課題としよう。
 先の謎のうち名称についてはイメージが湧いてきた。実はこの時謎の一網打尽を狙って大鷲山から一気に森石山まで(瘤杉山ピストン)を企てたものの、猛烈なラッセル、藪ズボ、ヤブコギにより時速水平距離100m状態に陥り断念した。次はもっと雪が落ち着き藪が埋没したタイミングで藪山を激走アンド疾走したい。

<アプローチ>
筆者は大鷲山から縦走したが、焼山のみを登るのであれば大平集落方面からアプローチするのが合理的ではないか。

<装備>
しっかりと根雪が付いた状態ならばスノーシューやスキーが有効だと思う。

<快適登攀可能季節>
1月~2月。標高が低すぎるので、時期を外すとハードなヤブコギとなる。


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