2022年7月4日月曜日

二又川 大清水谷










富山に縁のある山に関する資料は県立図書館で閲覧できるが、他県の資料となるとさっぱりである。地形図に示されていない谷の名前が分からずに困ることはしばしばある。白山に関する資料はないかと古本を調べたところ、わが白山連峰~ふるさとの山々と渓谷という本が当たり買ってみた。すると、信じられないほど詳細な概念図が付録されている!これまでちょっと気になっていた山域が一気に身近となり、全部行きたいぐらいになってしまった。先の概念図で滝の名前が示されている谷は多くない。その中で大清水谷には菊ヶ滝という名の滝名が記されている。これは行かねばなるまい。

大清水谷は出合からしばらくゴーロが続く。楽勝ムードが漂い始める標高730mから雰囲気が一変する。スラブに取り囲まれた多段の大滝が現れずーん。となるのは早計だ。右壁はホールド豊富、プロテクション良好なので突っ込んでしまおう。きっとこれが菊ヶ滝なのだろう。この多段滝の途中の岩角に古い残置スリングがあったのは驚いた。だれか下降したのだろうか。次の滝は上部でちょっと岩が脆くなりこの谷の核心である。以後も登り易い滝が現れる。標高950mくらいからは再び楽勝ムード。あとは口三方岳へのウイニングロードだ。

<アプローチ>
林道をやたらと歩く羽目になる犀川ダムから入山するよりも順尾山登山道から沢を下降して取り付くのが良いと思う。地形図には順尾山から月ヶ原山まで登山道が記載されていないが、実際にはよく整備された登山道がある。或いは刀利ダムから小矢部川上流部へ車で入り山越え入山、直海谷川支流から山越えして入山といった山越えがいい。筆者らは継続遡下降の計画の一環として直海谷川ワキ谷を登ったのち、二又川ゼンタナを下降して取り付いた。この時の下山路は直海谷川の三方谷とした。ここは藪が多いものの下降に難渋するところは無く下り易い。
先に記した通り、この山域における各支沢の名称は長崎幸雄著「わが白山連峰~ふるさとの山々と渓谷」に詳しい。

<装備>
カム少々、ピトン各種

<快適登攀可能季節>
7月~11月 早い時期だと残雪が残っているはず。7月末から8月末まではオロロが発生するので避けた方が良い。

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