2023年6月11日日曜日

神通川支流 長良谷

 







 神通川では神岡から楡原の区間は右岸と左岸で地質構造が異なる。左岸は飛騨帯由来の花崗岩で右岸は堆積岩のように示されているのだ。この左岸側の沢について、これまで宮川水系では比較的探索してきたが、神通川本流に流れる支流は未訪であった。これだけ近いにも関わらず、このような体たらくは一重に不徳の致すところ。余りに短くて一日休日で行くには勿体ない、というケチ根性が良くなかった。それならば雑穀へ行く前に朝活でいくぜよ。

 長良谷といっても地形図に記載が無いため恐らく誰も分からない。神通川標高120mの左岸に流入する沢である。洞門にその名が示されているので沢名が推定できた。入渓すると意外に森の雰囲気と沢がマッチしていていい感じ。倒木や木々が覆いかぶさるような沢を想定していたので嬉しい誤算である。地質図通り花崗岩質であるために、マサ化した砂が堆積し水深は浅い。しっとりとした緑をゆったり味わいつつ、318mの左岸支流前へ到着。この左岸支流の入り口はスラブ状の滝で直登は難しく、滝の近くを登るのも中々悪そう。無理せず右岸から巻きあがる。以後も花崗岩質の滝が散発的に表れて楽しめる。飛騨帯の花崗岩のイメージは宮川水系で固着していおり、崩壊沢多しという印象だったがここは異なる。滑らかなスラブ滝が多い。宮川水系では花崗岩とその他の岩が圧力変成しており、違う岩体の接触する箇所で花崗岩が脆弱になっているのかもしれない。とは言え、脆いことは脆いので詰めまで慎重に登ろう。657mのピークを踏んで一本北の松ヶ谷へ下降する。こちらもスラブ滝が多い谷で上部には意外に滝が多かった。出合い付近が藪っぽいのが不思議である。

 小さい谷ではあるが予想以上に楽しめた。周回して正味4時間程度だったと思う。久婦須川水系へ下降して1日コースで継続するのもよいだろう。朝活はもちろん、初めての沢登りにも良いかもしれない。でも、特別綺麗だったり華やかな滝の登攀は無いからね。行って外れだったとか言わないでね。行く方は過度に期待せずによろしく。

<アプローチ>
庵谷の旧国道41号線が新国道41号線と合流する手前の駐車スペースに停める。長良谷は橋の袂から下降できる。谷へと降りると鉄道管理用の歩道が脇にしばらく続いている。どこへ詰め上げてどこを下降するかにも依るが、筆者は一本北の松ケ谷を下降した。




松ケ谷の下降は難しくは無いが、スラブ状の滝が多くクライムダウンしずらい。巻きおりようとすると寧ろややこしい事にもなりうる。面倒がらずに懸垂下降したほうがいい。

<装備>
下降用にロープ

<快適登攀可能季節>
5月~11月。沢はじめや秋の紅葉シーズンにいいと思う。

<温泉>
楽今日館

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