2024年2月4日日曜日

三方崩山 大ノマ谷第三岩稜









家から近い山は良いものだ。いや、山が近い富山は素晴らしいところなのだ。三方崩山はスイート系の雪稜が幾つも連ねる好山である。三方崩山の入山口は白川郷インターチェンジから15分くらいで富山市内であれば高速利用で1時間半もかからずに到着する。雪の尾根遊びがしたくなったら気軽に行ける。

大ノマ谷の第三岩稜は一見して難しそうである。下部尾根末端はしっかりと岩壁となっている。雪が多いと末端右のブッシュから快適な雪壁となるのだろうが、筆者らが登った時は寡雪で好天続き。岩壁の暗闘的な存在感に負け、尾根左の枝尾根から登ることとした。末端岩壁を登るつもりで行ったら、それも一興かもしれない。ダブルアックス&藪をかき分けて進む。岩の段差になっているところは瞬間的に岩登りをするが、ラインを選べばそれほど難しくは無い。後半はシンプルな雪稜となってひたすら気持ちがいい。夜明け前から取り付いたら泊りには丁度いいくらいの時間に稜線に出るだろう。

大ノマ谷第三岩稜は傾斜の強い下部に難しさがある。尾根末端から登るとまた違った味わいがあるのだろう。その時々の状況に合わせて楽しめる雪稜なのでまた来よう。

<アプローチ>
大ノマ谷は三方崩山南東の谷の事で大ノマとは「大きな雪崩が出る谷」の意である。岩場や雪稜は登攀クラブによって初めて登られ、以後一部の愛好家に細々と登られてきた。谷の上流から第一、第二、第三、第四岩稜と命名されているようだ。なお、第二岩稜は上部で第三岩稜と接続している。何となくそうなんじゃないか概念は以下の通り。


近年(と言っても20年位前)では名古屋ACCが紹介し一時脚光を浴びた模様。アクセスとしては雪がしまり切っていない2月ならば道の駅飛騨白山に駐車して平瀬尾根を登り下降するのが安全で合理的な気がする。尾根から下降の際には面白そうな尾根が4つ綺麗に並ぶ姿におおっ!となるはず。3月に入ると大白川方面から林道を歩いて大ノマ谷を詰めるのが楽だろう。しばしば2月でも雪が締まって取り付けるタイミングがあるのでそれを狙うのもいい。尾根上に幕営適地は殆どなく、稜線直下まで行かないと安全に泊まれない。

<装備>
スコップを振り回す時間が圧倒的に長いので、携行しやすい工夫が必要。もちろん要バックアップ。雪特有の支点構築品は特にいらない。藪で何とかなると思う。岩が出ているとき用にピトン少々。

<快適登攀可能季節>
2月~3月。積雪がたっぷりある時期に登りたい。

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