川浦谷は富山からちょっと遠いが、北陸よりは沢登りシーズンの始まりが早いので沢養分を早く補給したいのであれば行先として悪くない。そうはいっても、海ノ溝や本谷ゴルジュは盛夏にバシャバシャやるのが楽しいので、どこを登ろうかと思って地図を眺めていたら日河原洞が五月闇の月光に照らされる紫陽花の如く滋味あるものに見えてきた。
入渓すると近年の大雨の影響が土砂と倒木で少し谷が荒れた印象を受ける。しかし、岩盤はおおむね露出しており小滝や小ゴルジュは美しい。段々両岸が立ってきて凄いゴルジュ地形になるが、残雪が詰まっていて上に乗ったり、雪の隙間をずりずりしながら進む。ゴルジュ内に滝は無いようだ。どんな所なのか全然調べずに来たので高鳴るハートビート。渓の雰囲気は良く、20mくらいの滝も現れ始めて盛り上がりを見せる。その後この谷最大の40m滝である。難しすぎず、簡単すぎない緊張感でプロテクションも程々に取れる。あとは何も無かろうと思いきや、ロープなしでも快適な小滝や連瀑が続いて想像していたよりもずっと楽しい。尾根に出て中部電力管理林道に出て遡行終了となる。小ぶりな谷ではあるがきらりと光り間延びしない良さがある。
<アプローチ>
下道で高山からせせらぎ街道(県道73号)経由で郡上まで。さらに国道256号を使いタラガトンネルを抜けて北上。林道終点(ゲートあり)から徒歩30分で銚子滝遊歩道起点に着く。日河原洞は目の前なので間違うことはない。下降は箱洞、西ヶ洞谷川どちらでも可。川浦谷流域のみで一泊二日だと時間を持て余すので、西側へ降りて東河内谷流域を登り返して遊ぶといい。明神洞や二又谷が地理的に下降しやすい。
<装備>
カム一式、ピトン薄刃数枚。
<快適登攀可能季節>
6月~10月位な気がする。6月上旬はヒルを見かけなかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿