2015年11月26日木曜日

薙刀山北面  Rising☆Sun











白山山域で本格的な冬期登攀を行った記録は少ない。というか多分無い。時は21世紀、軽量で使い勝手の良い装備が手に入るようになった。それなのに山登りの地平は前世紀に比べて狭くなっているような気がする。存在が明白な壁に困難な新しい登路を示す事もちろん意義があると思う。でも静かな深い山の中で「有るかも知れない」壁を求めて彷徨い自然に溶け込み、その時期にしか出会うことが出来ない登路はもっと素敵なんじゃないかしら。

薙刀山の北面は雪のセクションも含め高差およそ80m合計4P。そのうち2Pがミックスクライミングだ。3P目にはM8というグレードが岳友によって与えられた。私はMグレードを体験していないので分からないが、テクニカルでとても良いクライミングだったと思う。薙刀山や願教寺山にはまだまだ課題がある。

さあ、地図を手にザックにクライミングギアを詰め込んで気になる里山へ出かけてみよう。等高線の過密地帯にグラマラスな美女が待っているかもしれない。標高が低くて壁の状態が悪い?それなら、寒い日の夜に登れば良いじゃないか。星を眺めながらのクライミングは幻想的だ。自由な発想で自然に親しもう。もし壁なんか無くっても、山登りは楽しいしね。

<アプローチ>
上在所の白山中居神社の駐車場に駐車し、林道を歩く。除雪の邪魔にならないように駐車しよう。ところで白山中居神社は美濃馬場~白山中宮長滝と繋がる白山禅定道の基地として天長9年(西暦832年)から有るらしい。白山信仰が泰澄によって体系化されたのが西暦717年頃だそう。木曽義仲も参拝したそうな。野伏ヶ岳から縦走すると楽しさ倍増である。下部の雪原は美しく感動する。

富山からだと高鷲インターで降りて石徹白へ向う。東海北陸道利用で富山市内からおよそ3時間30分

<装備>
ひん曲がったアックスと縦爪のアイゼンが有効。ピトンを中心に岩のギア。足回りはスノーシューが絶対的に有利。標高が低いので防寒は適度でよい。雪と氷の状態を考えると登攀は夜が良い。なので照射距離の長いヘッドランプがあると良い。岩質は明神岳2263峰のようなイメージ。

<快適登攀可能季節>
12月~2月。寒いとき。

<博物館など>
石徹白の大杉:立ち枯れながら、なお屹立する姿に涙腺が緩む。登山の終わりに必ず訪れてほしい。




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