2017年7月20日木曜日

黒瀬谷











黒瀬谷は激シャワーに人工登攀にフリークライミングとゴルジュの醍醐味が濃縮されている。その突破はどれも歯ごたえは有るが、危険度は低めでエスケープも容易な事から総合的に観て入門的なゴルジュといえる。残念ながら筆者らは一部で残置を利用した人工登攀で抜けた。水量が少ないタイミングならば、水線フリー突破の可能性も感じた。後半には滝横でピリリとしたフリークライミングも楽しめる。ゴルジュの終了点は古びた堰堤が目印だ。下劣な落ちという意見もあるかもしれないが、個人的には苔むした趣の有る良い堰堤だと思う。里山には里山の姿があってよい。

ゴルジュだ、大滝だ、水線フリー突破だ。などといきり立った文言を書き連ねていると、沢登りがいかにもワイルドなガテン系スポーツのように思われるかもしれない。

沢登りの良さは四季折々の花の香りを楽しみ、日差しの移りを感じ、木々の輝きとそれに宿る野鳥の声にひととき住み居る点にある。風土と花鳥風月を慈しむ風雅な遊びなのだ。自然の中での心の挙動を肉体を持って体現するのが沢登りだ。一方、言葉を持って表現するのが俳句や短歌である。表現の枝葉は違うが、感じる根は同じといえる。即ち本質から言って沢登りは純文学系行為といえる。仲間との遡行は歌会や句会を催すようなものだ。

楽しき歌会を終えて、風流人気取りで商店で買い物をしながら談笑し風呂へ向かう。脱衣場でズボンのファスナーを下ろそうとしたら既に全開であった。このときの下着は両内太もものあたりが磨耗によりズタボロになっていて通気性が非常に良いタイプだったので、数百歩かに一回は愚息がチラついていた事が予想される。風流人危機一髪である。「襤褸を着てても心は束帯」にも限度があるので、新たな下着の購入を決意した。沢登りは下着の更新時期まで教えてくれる素晴らしい遊びなのだ。

<アプローチ>
国道169号の白川大橋を渡る手前に駐車する。白川大橋を渡り、左に作業道が続いているのでそれを利用して黒瀬谷出合いまで歩く。堰堤が現れたらゴルジュ帯は終了である。最後まで詰め上がらないのであれば、左岸斜面を登るとすぐに入渓した作業道の続きに合流する。これを戻ればすぐに車に戻ることが可能。
富山からは大阪周り、名古屋周りどちらも遠い。紀伊自動車道が出来て名古屋周りのほうが早いかもしれない。富山からおよそ6時間位だったかしら。帰りの時間は四日市と一宮ジャンクションの渋滞が予想されるので、北陸道を利用するほうが良さそう。

<装備>
カム一式、ピトン各種、ナッツ少々。クライミングシューズは無くても登れる。

<快適登攀可能季節>
5月~10月。この土地の季節勘がないので良く知らないけど。

<温泉>
きなりの湯:下北山スポーツ公園にある温泉。入湯料600円。広い休憩所を備え食堂も併設しており賑わっている。

<食事・買出し>
ヤマザキショップとJAショップがある。生鮮食品もここで買出し可能。どちらも9:00~19:00までの営業時間なので残業する場合は注意である。JAショップ横にある花川という食堂も美味しい。

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