2017年8月19日土曜日

水俣川 中東沢








高瀬川流域における沢登りの記録は殆ど高瀬ダム以北であり、それより上流の渓谷は源流釣り師とクライマーの世界となっている。それゆえ、各支沢やその側壁に展開する岩壁は多くの謎を秘めているといえる。中東沢のゴルジュ帯は見応えが有る景観だ。谷は全体は明るいものの手強い連瀑帯となっており、どの滝も快適には登らせてもらえない。岩自体は赤い花崗岩で硬くしっかりしている。思い切ってスラブ滝を直登するにせよ、巻くにせよ嗅覚が問われる。ただ、ゴルジュ帯は短く側壁の高さはそれほどではないので、進退窮まることは少ないと思う。2013m二俣以降は為衛門吊岩へ抜けたが、それより上部は難場はなく稜線へ抜けた。切通岩方面へ抜ければ更に滝が続くだろう。

なお、1700mから南へ派生する支流の上部は山体崩壊が進んでおり、水俣川出合いから水が濁りが激しい。下部は土砂で荒れている上、谷のスケールに対して水量が異常に少ないので土砂ダムの形成も疑われる。荒天時は注意した方が良さそうだ。




ここまでの崩壊地帯をお目にかかれることが稀なので、足を踏み入れて観察してみたい場所である。

<アプローチ>
 七倉ダムに駐車し高瀬ダムを経て湯俣方面へ。アプローチの歩きが長い。遡行対象となるりそうなのはゴルジュ帯がある為衛門吊岩方面へ抜ける沢である。良い幕場に恵まれないが、2013mの二俣は辛うじて張れる。何処を下降するかは非常に悩ましい。水俣川、高瀬川方面に下降可能な沢はどれも急峻で楽には降りられない。これも下降を楽しむ気概で臨めばまた一興である。少し遠いが貧乏沢を下降するのは無難な選択といえる。

<装備>
ピトン、カム少々。ラバーソールの方が登り易いかもしれない。

<快適登攀可能季節>
7月~10月上旬 標高が高いので寒さ対策も忘れずに。

<博物館など>
大町山岳博物館:資料館が素晴らしい。剥製の展示も豊富で躍動感、物語性があり見入ってしまう。ボルダリング壁も一回100円で一日利用可。

塩の道ちょうじや:庄屋であった平林家を展示。千国街道から運ぶ塩は瀬戸内産だったそうな。北前船で糸魚川まで運ばれ、そこから大町まで運んだとか。にがり甕の知恵に感動。

<温泉>
上原の湯:400円で石鹸&シャンプーが付いている温泉。
薬師の湯:温泉博物館と酒の博物館が近くにある。600円。
みみずくの湯:白馬にある日本有数の強アルカリ泉。入って損は無し。

<グルメ>
昭和軒:大町駅近くにあるカツ丼の店。大盛りはプラス100円で凄い量が食べられる。

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