2017年8月8日火曜日

笠ヶ岳 笠谷 








槍ヶ岳開山で著名な播隆上人は越中出身である。生家は熊野川のほとりにある集落だそうで、入渓途中の林道には碑が立っている。播隆は槍ヶ岳の開山に先立ち、笠ヶ岳に登山道を開き再興を果たしている。当時の登山道は笠谷から入山し、途中から尾根へ上がって笠ヶ岳へ登頂する道のりであったそうだ。

笠谷は標高670mから山頂へ抜ける、長大なスケールの遡行が味わえる谷だ。余りに長いので筆者らは林道を途中まで歩いて標高940m付近から遡行を開始した。遡行にこれと言った困難は無い。大滝の巻き道はしっかりしていて、途中で道らしき石垣跡もみられる。播隆は登山道中に幾つもの仏像を安置してしたといわれる。古地図を入手し仏像を探しながら登るのも面白そうである。大滝の手前はゴルジュになっており、滝後退現象を感じる事ができる。上部も散発的にナメや小滝が現れて飽きは感じない。高標高での長い詰めは体力的に苦しいが、咲き誇る高山植物達が和ませてくれるだろう。笠ヶ岳南側の肩に出ると爽やかな稜線の風が嬉しい。沢登りのルートというよりも、笠ヶ岳登頂のバリエーションルートとして捉えて楽しみたい。

<アプローチ>
笠谷入り口の林道に入り、発電所のゲートに駐車し適当な所から入渓。幕営場所は意外に良いところが少ない。筆者らは1470m付近の二俣で幕営した。下山はクリヤ谷登山道か笠新道が楽だ。となると車の回収にタクシーか、ヒッチハイク、車二台などの解決方法が必要になる。

<装備>
沢慣れしたパーティーであれば細引き径のロープがあれば十分。洞穴滝の前にある60m滝は水量の少ない状態であれば直登出来そうであった。それなりの装備を持って行けば登れそう。笠谷本谷上部の岩場もそこそこのスケールが有り、岩峰のリッジ登攀を楽しめそうだった。

<快適登攀可能季節>
7月~9月。標高が高いので寒い時期は辛そう。虫は少ないので盛夏に楽しむと良いかもしれない。

<温泉>
新穂高温泉なのでどこでも入ることが出来る。価格帯は高い。

栃尾の荒神の湯は良い露天風呂。体を洗う場合は石鹸を持っていこう。寒くて洗えないかもしれないけど。割石温泉まで行くのもいいだろう。

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