2017年10月15日日曜日

鉾ヶ岳 島道川 藤内沢











鉾ヶ岳という山の良さは水にある。均整の取れた美しい水線を良く見てほしい。これに感激しない人間は沢ヤとはいえないだろう。また谷が深い上、藪が発達していて衛星写真で偵察できないのも素晴らしい。山体は文献を調べた限り石英閃緑斑岩を主として、一部に泥岩および砂岩を含む能生谷層を挟んでいるようだ。島道川に降り立ち川原を観察すると、海谷にあるようなクッキーのように分解する泥岩が幾つもみられるだろう。能生谷層は地すべりが多発する地層として知られている。硬い岩体と脆い岩体が接近している場合、同一水系でも各支沢で遡行の性質が大きく異なる事がある。谷ごとにキャラクターが有る山域は非常に魅力的だ。そういった面で頸城の山や立山周辺はとても面白いフィールドである。

島道川藤内沢は島道鉱泉に最も近い温泉マークの有る沢だ。しかしこの藤内沢は地形図からは想像できないような難渓である。ゴルジュを正面突破した場合には滝ノ内沢に匹敵する困難となるのは間違いない。入渓してまず気がつくのは森林の発達だろう。丁字滝谷がガレで覆われていたのとは対照的だ。この安定した地盤から藤内沢では能生谷層は優位でないことが推察される。序盤から水量は非常に少ないのだが、ゴルジュは発達しているのが不思議だ。そこからゴルジュ内を滝、滝、滝と一切緩み無く高度を上げていく。遡行時は素早く直登可能な滝は登ったが、時間の掛かる滝は巻いた。滝ノ内沢との違いは巻きが比較的容易に可能な点といえる。一方、それがゴルジュ内の解明を妨げているともいえる。筆者らは登山道が合流する下部ゴルジュまでしか遡行していない。上部ゴルジュの遡行、下降による本谷の全貌解明も今後楽しみたい。

<アプローチ>
入浴客の邪魔にならないよう島道鉱泉の手前の広場に駐車しよう。下部ゴルジュ内に幕営適地といえる場所は無いが、登山道が横切る地点は泊れるだろう。左にはスラブが広がり直ぐ上には堰堤があるので驚くはず。この周辺で水と天然ガスを島道鉱泉まで引いているようだ。上部ゴルジュの幕営点は不明である。下山は登山道を利用するのが楽である。朝方に富山から国道8号線で大体2時間30分で能生に着くと思う。時間を優先したい方は北陸道を利用すると良い。

<装備>
カム一式、ピトン各種、鐙。真剣にゴルジュ突破を狙うのでればクライミングシューズとボルトキットもあったほうが良いと思う。

<快適登攀可能季節>
8月中旬~10月上旬。残雪が無くなり日も長い8月下旬~9月がベストだろう。

<温泉>
島道鉱泉:入山口にある鄙びた温泉。鉱泉だが近くから採取される天然ガスで加温している。一応入浴は17:00までとなっている。500円也

大平やすらぎ館:ゴルフ場に併設されている温泉。泉質は島道鉱泉と異なる。400円也。日帰り入浴は18:30までなので残業の場合は注意である。

<博物館など>
フォッサマグナミュージアム:地学系の博物館で興味深い展示に見入ってしまう。ここでは石の鑑定も行っているので、山で見つけた気になる石を鑑定してもらおう!(一人10個までです)

翡翠園:散策可能な日本庭園。よく考えられていて、どこから見ても趣が有る。島根県足立美術館の作庭が有名な中根金作による庭園である。構成から考察するに、彼はあの巨大なヒスイ原石を嫌悪していたのではないかと邪推してしまう。

玉翠園:同じく中根金作による庭園。こちらは観覧庭園でガラス越しにしか眺めることは出来ない。柔らかな丘による高低が印象的。

糸魚川市民図書館:糸魚川市、能生町の郷土史は重厚な作りで読み応えが有る。青海町の郷土史は発刊は古いがシニカルな語り口が面白い。ジオパーク関連資料も豊富で嬉しい。なお、能生町、青海町にも分館があるのでそちらでも資料は閲覧可能である。

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