2018年10月11日木曜日

片貝川 成谷







成谷はかつて、とやま山ガイド 10ジャンル100コース(佐伯郁夫, 佐伯邦夫 編 シー・エー・ピー出版,1996)という本に紹介されたことがあるため、県民には馴染みのある沢では無いだろうか。現在、この本は絶版となっており入手は困難だが、紹介されるルートは幅が広くて滋味にも富んでいる。県立図書館など県内多くの図書館で閲覧可能なので一読をお勧めする。

さて、遡行である。成谷の出合いは標高差にして約100m6~7基くらいの連続堰堤となっている。強烈な先制攻撃に、これのぼるんすか、まじですか。という気分になるかも知れない。そこは「何とか成る谷~きっと楽しく成る谷~♪」とか何とか唄っておけば概ねOKである。連続堰堤が終了すると巨岩と土砂が詰まった急な谷となる。渓相の見栄えはしないのだが、動きそのものは小滝を登っているような感覚だ。1050m付近にある10mくらいの小滝を処理すると地形と渓相はがらりと変わる。ここから日本庭園調と称される美しい流れとなる。これまでの脆い花崗岩から硬く安定した岩に変わり飛騨帯の良いところ(沢登り的に)が当たった事が推し量られる。喜々と遡行していると水は早々と伏流する。この伏流した場所でゆっくり休憩してみよう。水の流れが無い静寂の谷に座っているのも面白いものだ。藪漕ぎは僅かで登山道へは易々とあがる事ができる。沢慣れした人は午前中で終了するので、一寸した時間で楽しむことができるのがいい。余った時間で南又へ洞杉を見物しにいけばまた有意義な休日である。

<アプローチ>
成谷手前に広い駐車可能なスペースがあるのでそこに車を停める。水が涸れるのが早いので1300m地点から登山道へ上がると沢登りとしては要領が良い。勿論1600m三角点まで詰め上がり僧ヶ岳まで足を伸ばすのも風情がある登山となるだろう。

<装備>
登攀具はいらない。沢慣れしていない人がいる場合は念のためロープがいるかも。

<快適登攀可能季節>
7月~11月。南面なので残雪は比較的少ないと考えられる。水を浴びる場面も無いので遅くまで楽しめる。

<博物館など>
魚津水族館:歴史有る水族館で主に県内に生息する魚を展示。こじんまりとしているが魅力的な水族館。可愛いPOP解説も面白い。
魚津埋没林博物館:でっかい木が沈んでいるだけなのだが、なぜか趣がある。

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