2019年3月4日月曜日

抜戸岳南尾根 2421.6m峰東南壁











抜戸岳は不遇の山といわざるを得ない。大スターの槍穂高。その陰に隠れながらも近年注目を集めるかつての不遇の山、明神岳。その裏側(富山県民には表側だ!)に位置するいぶし銀の笠ヶ岳。その笠ヶ岳の陰に隠れる抜戸岳である。抜戸岳には南尾根2421.6m峰東南壁や秩父尾根といった岩登りが楽しめる場所が有るのだが、あまり人気が無い岩場のようだ。

さて、記憶中枢への挑戦状のような名称の南尾根2421.6m峰東南壁は色々な遊び方が出来る良い岩場だと思う。日帰りでの前衛壁から奥壁への継続は爽快極まる登山となるだろう。前衛壁の意外に手強い草付き岩登り、中間部の雪稜、山頂への氷雪と様々な要素が詰まったゴージャスライン。トポを忘れて現地では確認できなかったが、大体同じ場所を登っていたようだ。合理的で面白いラインを突いたならば、恐らく皆同じライン取りになるのかもしれない。奥壁のフェース部は手がつけられそうに無いが、魅力的なルンゼとチムニーが幾つも走っている。中間の雪稜上で泊まり、上部壁を目的に訪れるのも充実するはずだ。

<アプローチ>
南尾根からもアプローチ可能だが最も楽なのは岩小舎沢を詰めるアプローチである。穴毛谷同様、雪崩のリスクが高い沢なので雪の状態には留意したい。登攀終了後の下降路は南尾根を少し北上し、雪庇の小さい場所を選んで下降する。或いは南尾根を南下し南壁を懸垂下降(65mくらい)し岩小舎沢を下降する。前衛壁と上部壁の間から谷へエスケープする事も可能。

<装備>
カム一式、ピトン少々。攻めなければカムはワンセットでいい。なお、当岩場の開拓は主に飛騨山岳会によって為されている。商業誌として発行された資料で詳しいのは岳人1985年5月~7月に掲載された開拓記録である。詳細で正確な概念図と写真で大変解りやすい。

<快適登攀可能季節>
12月~3月中旬。岩小舎沢に入れるコンディションのとき。

<温泉>
新穂高温泉なのでどこでも入ることが出来る。価格帯は高い。

栃尾の荒神の湯は良い露天風呂。体を洗う場合は石鹸を持っていこう。寒くて洗えないかもしれないけど。割石温泉まで行くのもいいだろう。

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