2019年8月20日火曜日

高瀬川 滝ノ沢ツバメ沢








高瀬川流域の沢は生き物の影が薄い。風化の激しい花崗岩からなるため、沢床は真っ白な砂が堆積していて無機質な感じがする。砂は移動が激しいので生き物の隠れ家を作りにくい。水の中の生き物が少ないとそれを餌とする生き物が少なくなるのは当然で、魚はいない殆どいない。だからといってこの渓谷に魅力がないというのは早計である。

滝ノ沢ツバメ沢は真っ白渓谷に手ごろな滝が続く美渓だ。滝は手が付けられないものが幾つかあるものの、巻き易い渓相なので安心して入渓出来ると思う。この流域にしては快適に登れる滝も多いのでお勧めだ。滝ノ沢本谷は古くは地元猟師の道として利用され、唐沢岳北尾根にそま道が拓かれていたそうだ。餓鬼岳の小屋はもともとカモシカ猟師が避難小屋として建設され、猟が規制されるようになり営業小屋へと変わったとも聞く。この高瀬川流域には比較的多く入っているがカモシカを見たことがない。痕跡も少ないので富山と比べ生息密度が薄いのは間違いない。この地方の猟師の懐事情はいかほどだったのだろう。

<アプローチ>
七倉ダムに駐車し取水堰堤の脇を歩いて入渓する。ツバメ沢は1355mから本流と水量1:1で出会う沢である。安全で快適な幕場は多くない。1860m付近が泊まりやすいはず。登山道を利用すると車の回収が大変になる。唐沢岳方面から野口沢を下降する、西側の東沢を下降するのがよい。東沢ニノ沢を下降する場合は50mロープが二本有ると便利。

<装備>
沢慣れした人ならば特に何も要らない。足回りはフェルトが良い。

<快適登攀可能季節>
7月~10月上旬 

<博物館など>
大町山岳博物館:資料館が素晴らしい。剥製の展示も豊富で躍動感、物語性があり見入ってしまう。ボルダリング壁も一回100円で一日利用可。

塩の道ちょうじや:庄屋であった平林家を展示。千国街道から運ぶ塩は瀬戸内産だったそうな。北前船で糸魚川まで運ばれ、そこから大町まで運んだとか。にがり甕の知恵に感動。

大町市立図書館:高瀬ダム建設時に行われた環境アセスメント報告書(高瀬川流域自然総合調査報告書)が非常に興味深い。追加報告書の最終発行日が昭和56年であった。10年おき位で良いので更新して貰えると良いのに。

<温泉>
上原の湯:500円で石鹸&シャンプーが付いている温泉。
薬師の湯:温泉博物館と酒の博物館が近くにある。600円。

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