2020年6月29日月曜日

竹田川 小倉谷








竹田川小倉谷は石川の山岳会が纏めた記録本で良渓!と記載された記憶があったものの、沢の小ささと富山から微妙な遠さも相まって訪れる事が無いまま幾星霜。梅雨のすっきりしない天候のひとり旅にぴったりじゃん、てなことで訪渓。

水踊る谷という表現がしっくりくる名渓である。とにかく滝とナメが連続するが、どの滝、どのナメも違った構成と味わいがあって素晴らしい。短いのが難点とも思わない。もっと続いてくれ!と願うところで終了する腹八分目感も悪くない。綺麗で楽しすぎるので、うぉー、うほー、はひー、といった奇声を上げまくった。滑床では一人ゴロゴロ転がって遊んだ。そのまま横に生える苔を頬張った。これ以外の記憶は朧気である。ひとりで楽しい沢に入ると忘我し前後不覚に陥る。あんまり話題にならないのは石川と福井の沢屋にしてみればこれが普通なのだろうか?すげー綺麗で誇るべき沢だと思うんだけどなぁ。もしかしたら宝物としてひた隠しにしているのかしら。さておき、美ヶ谷ですごく綺麗と言っちゃう自らのダボハゼ感性を寿くとしよう。

それにしても大日山周辺は似た岩質で沢登りはどこも面白い。とにかくどの谷も遡ってみたくなる衝動に駆られる魅力的な山域だ。

<アプローチ>
畑尻橋のたもとに駐車して入渓する。なお、ダムから竹田川右岸の道は崩れているため、畑尻橋は必ず渡る必要がある。三角点910.7mが小倉山山頂なのでそちらへ抜けたい。最も楽な下山は火燈山から南へ下降する登山道を下山し、林道が合流した点から沢へと下降し、ダムへと降りる。この下降沢はスギ林を流れるガレ沢で問題ない。下山を含めて4時間くらいで終わるので、もう近場で一本登ることも可能。

<装備>
沢慣れしていれば何もいらない

<快適登攀可能季節>
5月~11月。標高が低い南面なので新緑の季節から紅葉の晩秋まで楽しめると思う。

<温泉>
山中温泉:下山後は総湯菊の湯をおすすめする。銭湯風の公衆浴場で石鹸は持参する必要があるものの、440円とリーズナブル。男女は別建屋となっている。

丸岡温泉たけくらべ:山中温泉とほぼ同質の泉質であるが、山中温泉ほど温泉街として発展していないため、日帰りならば一択。なお、名称は丈競山(たけくらべやま)からとっていて樋口一葉とは関係ない。

<博物館など>



栢野大杉:菅原神社に鎮座する巨木で推定樹齢は2300年。山中温泉を称えた芭蕉もこの巨木を拝んだ事だろう。源平合戦に関する逸話があり、そのいわれのある草団子が直ぐ横の茶屋で販売されている。素朴な味で大変おいしい。この茶屋では他にジェラートも販売しているがこれも旨い。

丸岡城:かつて現存する最古の天守閣とされていたが、近年の調査で最古ではないという事が示された。かといってこの城の魅力がなくなったわけではない。近世の取れた美しい曲線を描く石組と笏谷石(所謂グリーンタフの石、庄川の金屋石と類似する)で葺かれた瓦が印象的。上り下りの階段はもはや懸垂下降が必要な傾斜で65°と67°。

千古の家(坪川家住宅):福井県内最古の茅葺屋根民家。ポイントは入り口向かって正面の重厚な三角形屋根と栗の木を用いた叉柱。現在は音楽会や朗読会といったイベント会場として活用されているようだ。更にそばを提供する喫茶も併設している。菖蒲園がきれいなので6月中旬がお勧め。

観音院加賀寺(旧ユートピア加賀の里):ハニベ岩窟院と並んで石川が誇る弩級の珍スポット。加賀温泉駅からも望むことが出来る巨大菩薩がある場所。訪れたのは大分前だが既に廃墟感があった。金ぴかの観音の中は階段があって登ることが出来る。千手観音が千体?ある部屋は圧巻。今も現存する施設かは不明。

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