2020年7月21日火曜日

耳川 うつろ谷












敦賀・若狭の沢の醍醐味はコンパクトな里山に展開する小気味よいシャワークライミングと、海と琵琶湖の眺望である。うつろ谷はその筆頭だろう。堰堤を越えた以降、歩きは殆どなく快適な小滝のみで標高を上げる。下手に巻いたり、流芯を逸れて登ろうとするとボロイ岩が不快なので水を浴びながらゴリゴリ登ろう。上部は傾斜がなくなり、不思議な水路状渓相を呈する。不自然な自然景観で異国の森に迷い込んだ気分になる。抜けた先の明王の禿はまごうことなき禿っぷりで、またしても不思議な景色。予定ではここで若狭湾ドカーン、琵琶湖バーンというフィニッシュだったが、生憎のしっとり空模様で叶わず。それでも、森は美しくとても気持ちの良い山だ。ちょっと遠いけど遡下降を繰り返し一日遊ぶもよし、旅行がてらの軽い一本としてもよし。遊びやすく面白い山でおすすめ。

<アプローチ>
国道8号で敦賀まで行くのは信号が多くつらいものがある。高速利用ならば敦賀インターまでおよそ2時間。耳川方面へ向かい、赤坂山登山道入り口に駐車して入渓。下山はこの登山道を利用すると楽。ただし、この登山口の入口は送電線巡視路と共通で分かり難い。分岐もあるので注意が必要。このほか、近場の谷を下降するのも一興。

<装備>
沢慣れしていない人が居る場合は念のためロープ

<快適登攀可能季節>
寒くないとき。雪が降っていないとき。

<博物館など>
若狭三方縄文博物館:建物がモダンな設計である。そのため、全国各地にある縄文系博物館にありがちな寂れた感は全く無いのでそれだけで嬉しい。また、寂れた博物館に有りがちな「はい、並べました」的な展示では無い。美しくて解りやすくて楽しいのである。最近の縄文ブームで訪れる人が増えるかもしれない注目の博物館である。

福井県年縞博物館:水月湖の湖底には7年を正確に測る物差しがある。それが年縞である。2018年に開館した新しい博物館で、年縞実物が45mに渡って展示され、この7万年間の日本列島で起こった出来事が詳細に解説されている。7万年の地球活動の解説7万年の旅が45mで可能ってすごい。北陸屈指のおもしろ博物館である。

気比の松原:スケールが有るわけではないが日本三大松原である。芭蕉翁も観た。虚子も観た。これだけで十分見物の理由になる。なお、あと二つは三保の松原と虹の松原となっている。

敦賀市博物館:旧大和田銀行の建物を利用した趣の有る外観と内装。港湾町として発達した敦賀の歴史を学べる。最大の見せ場は4等フレネルレンズの実物品が2点も展示されている所。精緻で奇妙なレンズが遠く海を照らすロマン。

柴田家庭園:有力農家であった柴田邸に造られた庭園。堀があるのだが工事中で水は無く今一つであった。近くで庭園を楽しむならば西福寺の方がよいだろう。

敦賀原子力館:門ヶ崎の直ぐ近くには高速増殖炉もんじゅがある。原発の利用は賛否が有るだろうが、その原理と工学的な機構は興味深い。冷媒にナトリウムやカリウムを使用する合理的で大胆な発想に感心した。漏れちゃったけど。

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