2020年9月14日月曜日

大杉谷川












溶岩台地の沢は楽しい沢が多い。特に火山活動が海底ではなく地表であり、100万年以上経過している地域は沢の開析・浸食が進み美しい渓相を演出する場合が多い気がする。大日山は九頭竜火山列と称されるざくっと300万年前~100万年前の安山岩質火山グループに属している。大日山周辺はこの火山列の中では比較的古い方で300万年前に活動していたようだ。願教寺山や大日ヶ岳も九頭竜火山列に含まれているが、こちらの方が新しいらしい。

大杉谷川といえば手取川の支流を思い浮かべる方が多いと思うが、こちらは加賀の梯川支流の方である。地形図では全然面白そうではないが、渓相は大変美しく、時折現れる小滝を登るのもぼちぼち楽しい。釜が深いところも多いので泳ぐのもいい。標高を上げないので沢登りっぽさが全然ない。水遊びといった方が的確な沢だ。沢が初めての人を連れて行くといいと思う。

沢の途中で出会ったキセルガイと白山北部の地質を調べるべく、能美市の図書館に寄った。結果、蛇谷以北の山については表立った資料は殆どないようである。文献はどれも「地形が厳しいから殆ど調べられていない」ばかり。他方、蛇谷についてはスーパー林道の敷設のため良く調べられている。ダイナミックな遷移を遂げる生物だけでなく、その場に留まっている自然にも沢山の未知があるっていうのは何かいいね。

<アプローチ>
鈴ヶ岳登山口へ向かう林道の途中に駐車。だいたい標高250mくらいから入渓したと思う。登山口より上部も少し登ってみたものの、藪っぽくて今一つ興味をそそられなかったので下降した。上部支流に水量の少ない100mの大滝があるらしいのだが本当だろうか。

<装備>
多分登攀具は要らない。できればあったかい服装

<快適登攀可能季節>
6月~10月。アブやブヨが多い場所なので新緑か秋が良いと思う。

2 件のコメント:

  1. 大杉谷川は大日川水系ではなく、梯川水系では?
    私も今年6月に遡行したので、ちょっと気になりましてコメントさせていただきました。
    https://blog.goo.ne.jp/repu/e/28cb4a3a42220ea7cb33d81d584546bd

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  2. ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。大杉谷川は意外なところにある美渓で大満足でした。気が向いたら富山の沢にも遊びにいらしてくださいませ。

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