2021年5月17日月曜日

黒部川 境谷







「天の下には何事も定まった時期があり、すべての営みには時がある」と聖書に記されているように、地元の小さな山の登頂と無名の小沢を遡行するのがいい時期っていうのがあるものだ。800m以下の沢登りは春がいい。藤や桐の紫色と空木のピンク色が遡行に彩りを添えてくれるし、山菜も味わうことができる。そして、眼下の空を写す水田がすべての始まりを期待させてくれる。

黒部川支流の境谷といっても場所が分かる人は殆どいないと思うのでまずは場所のご説明を。黒部川右岸にある音澤集落北側、地形図で168m地点が示されている沢が境谷である。名前の由来まで調査していないが、栗虫集落と音澤集落との境なんじゃないかと勝手に思っている。

人工の滝上から上部しばらくは護岸された水路になっているので割愛しよう。水路が終わると意外にもしっかりとした沢の雰囲気となる。地図では谷が狭いように表現されているが、特に問題とはならない。ほとんど歩きだが時々現れる小滝を楽しみながら登る。途中地形図に記載されていない堰堤が3~4基あったと思う。上部は左俣へ入り金山谷の三角点を目指した。左俣に入ってから少し登攀要素のある滝が出るが悪くはなかった。下降は舟川側としたが、北面の谷だったため残雪が多かった。春先は南面の音谷支流を下降するのが良いかもしれない。

遡行と下降を気持ちよく両方楽しめる小ぶりな沢なので、気が向いてみたら訪れてみてはいかがでしょうか。春ならば藪も薄くて丁度いいしね。

<アプローチ>

県道との出合いは人工の滝になっている。県道の待避所のなかで広い場所に駐車する。下降は色々なパターンが取れるだろう。例えば①境谷左俣遡行後、右俣を下降の周遊②音谷支流を下降して音澤集落へ③舟川支流を下降して船川ダムなどが挙げられる。さらに三角点776.6mから山抜け後に植林された形跡があり、その名残として境界区域には地形図に示されていない林道が敷設されている。これを地道に歩いて帰れば明日方面へ下りられる。この林道の路線はGoogleの航空写真で確認可能。

<装備>

10mくらいの滝2つを真っ向勝負しないのであればスリングのみでOK。登る場合はカムとピトン。

<快適登攀可能季節>
5月~11月。この範囲であれば寒かったり、雪があったりするだろうけど大体大丈夫だと思う。

<温泉>
バーデンあけび:むかーしに入ったときは古めかしい施設だった記憶がある。調べてみるとどうやらリニューアルして人気になっている模様。露天風呂なんか魅力的である。

<博物館など>
うなづき友学館:黒部市立図書館の分館と歴史民俗資料館が併設している。何と言っても1/2愛本刎橋が見ものの博物館である。30年おきにかけ替える刎橋だが、当時のオーソドックスな橋脚がある木造橋の架け替え頻度ってどのくらいだったんだろうか。もっと深く橋の構造比較をしてくれればありがたいと思う。このほか、稚児舞や七夕といった地域の祭事展示も興味深い。

1 件のコメント:

  1. バーデンは、2020年冬、魚沼地域が大雪で通行止になっているときに、Gotoで泊ったけど、いい宿でしたよ。

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