2021年9月26日日曜日

大嵐谷 小屋場ノ裏谷

 






登山記録(日本の渓谷97)では小屋場ノ谷の一本下流側の谷は小屋場ノ裏谷と仮称されている。この辺りの歴史を丹念に調べれば名称は解るのだろうが、ここでは気にせず小屋場ノ裏谷と呼称する。筆者らはこの谷を下降したので登り方については言及できないが、シャワークライミング(大滝登攀)を楽しめるゲレンデとなる可能性を秘めているので紹介する。

出合は平凡な流れである。小屋場ノ谷はほぼ同じ集水面積にも関わらず、出合いの水量が大きく異なっているのが興味深い。古びた堰堤を幾つか超えると30mはあろう大滝が現れる。記録ではこの滝を正面から登攀しているようだ。水の流れを読んでもホールドはポジティブのようだし、凹角から支点が取れそう。上部の小ハング帯も直登や縫うようにかわすことができよう。この大滝を登るだけでも訪れる価値はありそうだ。10mの登るのが困難な滝を巻くと、累積高距50mはありそうな4段瀑がすぐに出てくる。フェース面はスラブ状で困難が予想されるが、右側の流心はコーナー状になっているので支点を求められる可能性はあるだろう。水量がぐっと少なくなる11月ならば可能性があるかもしれない。谷が右に曲がるとガレの沢となり、沢登りとしての興味は減ずる。適当な地点から東畑谷か小屋場ノ谷へと下降する、或いは同ルートを下降する。

<アプローチ>
深瀬大橋から手取川右岸沿いの林道を車で進み、大嵐谷を渡る橋まで行き駐車する。ダム右岸の林道は草ぼうぼうでダートだが、ちょっと車高の高い車ならば全然問題ない。おそらくダム関係者が利用しているのであろう。大嵐谷左岸の林道も現役で使え少し先に駐車できる広いスペースもあった。小屋場ノ裏谷は大嵐谷の標高620m付近の右岸から合流する谷である。遡行後は北側の東畑谷を下降するか、一本南側の小屋場ノ谷を下降する。小屋場ノ谷は滝が多く下降には相応の時間を見込んだ方がよいだろう。

<装備>
カム0.1~2.0をワンセット、ピトン各種。

<快適登攀可能季節>
7月~10月

<博物館など>
石川県立ふれあい昆虫館:標本の数はまずまず。なにより生きた昆虫を間近に観察できる。蝶の放し飼いされた温室は圧巻である。皇太子ご夫妻もこの昆虫館を訪れている。雅子妃が温室に入った際、雅子妃の頭に蝶がとまったシーンは何度もテレビ放送された。

0 件のコメント:

コメントを投稿