地方によって言葉が変わるのは誰しも知っているし、誰しもそのことを不思議に思ったのではないだろうか。バベルの塔を建設した人類を分断させるためGODの裁きが下された、などと謂れがあるくらい、人類の言語に関する興味は古い。
伊那地方には田切という河川名称が矢鱈とある。これは耕作地となる段丘台地が河川によって分けられる地形が連続するため名づけられたようだ。また、中央アルプスの沢上部には沖という名称が多い。推測だが奥が訛化して沖となったと理解している。
さて、沖駒石沢左俣は出合いが大滝となっており、その勇壮な様は太田切川上流域において遡行意欲が最も湧く。その大滝は下段は容易でロープを付けなくても登ることができる。上部は傾斜は緩いものの、意外にスラブ状で岩もボロなので油断ならない。見た目よりもロングピッチで50mよりもロープを伸ばした方が安心してビレイができる。プロテクションはまずまず取れるし、途中テラスもあるので2ピッチに分けて登るのも良いかも。以後も小気味よく小滝が続き楽しい。登山大系の遡行内容とはずいぶん違うのでいつでも新鮮な気持ちで楽しめるだろう。一見優しく見えても渋くなる滝もあるので安全マージンは多めに取りたい。最上部のマサ化は凄まじく、岩が砂となっている現場を目撃しているライブ感が最高。そして足を延ばした空木岳のピークも最高。
太田切川は支流の支沢が興味深く一度訪れる際には複数沢を登ることをお勧めしたい。上部にありながら遡行内容も面白い沖駒石沢左俣を最後の締めに配置すれば、空木岳山頂も踏めてよき休日となる。
<アプローチ>
空木岳登山口の駐車場(スキー場)に駐車する。そこから歩くかバスに乗って檜尾橋まで行き、取水堰堤への道を利用して入渓。広い地形にも見えるがゴーロと土砂のため幕営適地は少ない。上部に行くと本当になくなるので注意。木曽殿越から本谷を下降するのは容易なので、下部にベースを張って翌日もう1本登るのがいい。最終下山は登山道を使用するのが安牌。
<装備>
カム一式、ピトン各種(ナイフブレード多め)、足回りはラバーが有利
カム一式、ピトン各種(ナイフブレード多め)、足回りはラバーが有利
<快適登攀可能季節>
7月~9月。標高が高いので秋は寒さに注意。
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