2024年8月21日水曜日

中房川 深沢右俣

 










 有明山は四季折々登っても楽しい山だと思う。春はシャクナゲ、夏は沢登り、秋は紅葉、冬はクライミング。高すぎず、低すぎない標高に付けられた変化に富む登山道も魅力的だ。

 深沢右俣は花崗岩の美しいナメ滝と豪快な大滝が連続する出色の谷である。集水面積が少ないため水量は少ないが、これにより水の流れが速くない。これがナメを美しく際立たせている。ナメの箇所は開けた地形でスケールを感じられるのが良き演出である。ゴルジュ地形も序盤と終盤に配されており嬉しい。どの滝も楽しいクライミングだが草付きを掘り起こしてネイリングすることに成れていないとランナウトする。目ざとく草をはがしてピトンを打ち込んでいこう。右俣へ入って直ぐの大滝を越えてから崩壊箇所が多くなる。ガレとザレが堆積していて危ないのでビレイヤーの位置には注意したい。詰めがヤバそうな地形図の書きっぷりだけども実はそうでもなく割合快適に山頂に到達できる。

 中だるみすることない切れのある沢であった。沢登りシーズンが長い地域なので、初夏~晩秋の期間でも登る印象は変わるのだと思う。緑きらめく初夏と山燃える秋にも登ってみたいものだ。

<アプローチ>
観音峠の駐車スペースに車を止めて斜面を適当に歩いて入渓。幕営適地は右俣へ入ってからすぐの大滝を登ってから直後に現れる台地。進み過ぎるとガレがひどく不快と思う。下山は登山道が無難。中房川へ降りると早いが、黒川沢側へ降りると随分時間がかかる。沢慣れしている者同士で日帰りで登るのが快適なんじゃないかと思う。

<装備>
カム一式、ピトン各種(アングルやユニバーサルがよく効く)。ラバーソール、フェルトソールどちらでも行けるが、ラバーソールの方に利があるかも。クライミングシューズを持って行く方がいい。

<快適登攀可能季節>
6月~10月。雪の少ない地域の低山ゆえシーズンは長い。夏はブヨが多い地域なので、秋が良いかも。

<温泉>
しゃくなげの湯:かつてあった公共日帰り温泉施設が無くなってどでかい温泉となった。入浴料は土日と平日で異なる。

すずむし荘:単純弱放射能温泉(ラドン温泉)でさっぱりとしたお湯。内湯、露天ともに綺麗で快適である。

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