2018年3月5日月曜日

不帰Ⅱ峰西壁 第一尾根






不帰西壁は人気は無いものの魅力的な花崗岩の岩場だ。この岩場で最もスケールの大きいのはⅡ峰西壁第一尾根である。A~Eまでフェースが続き、基本快適なフリークライミングを堪能できる。筆者らはBフェースの出だしで1ポイント人工となったが、左右どちらかを探ればフリーでも登れるかもしれない。内容は槍ヶ岳西稜を小さくした感じ、というと褒め過ぎかも知れないが似通っている。節理は発達しているのでプロテクションは比較的取り易い。岩は脆い部分はあるが、冬季であれば気にならないレベルだ。フレーク状のガバホールドを小気味良く繋いでいくのが心地よい。出だしのライン取りにもよるが概ね5~6Pで稜線まで抜けるだろう。周辺では第二尾根の側稜も面白そうだ。

北アルプスの岩壁は花崗岩が多い。これも考えてみると不思議な事である。不帰周辺は岩壁が発達しているが、唐松岳は同じ花崗岩でも丸い山だ。これと同じ現象は西穂高でも見られる。基本的に花崗岩の山は風化されマサ化によって丸くなる。しかし硬い岩体があればマサ化から逃れ露出して岩壁となるようだ。では、硬さをもたらした原因は何なのだ。第四期以降の火山活動による熱なのだろうか。はたまた雪による作用など別の要因なのであろうか。後立山における花崗岩は針ノ木岳以南は岩壁が少なくマサ化し易いように思う。特に北葛岳~南沢岳の風化っぷりは壮観だ。今後も沢登りと尾根登りを通じて山について知見を深めたいものだ。

<アプローチ>
Ⅱ峰南峰、北峰間のコルからルンゼを下降する。すぐ左手に見える顕著な岩峰が第一尾根である。ルンゼをそのまま降りていくと取り付きにくくなる。ゴルジュ状を呈する手前までルンゼを降り、小尾根を乗越してトラバースすると良い。取り付きまではルンゼが氷化していたり、小尾根の雪壁が急であったり何かと悪い部分がある。Aフェースは割と自由にライン取り可能。

<装備>
カム一式、トライカム少々、ピトン各種。支点は結構とれる。昔は良く登られていたのか残置はやたらある。

<快適登攀可能季節>
12月~3月。西面なので雪が締まっている事が多いはず。八方尾根のアプローチも良いので厳冬期でも割と登り易いと思う。初冬の足慣らし、雪稜と組み合わせての継続登攀など良いかも。

<温泉>
みみずくの湯:日本有数の強アルカリ泉です。周辺の温泉は有名。入って損は無し。
倉下の湯:みみずくの湯を含む白馬八方温泉とは源泉が異なり、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。価格も同じ600円なので気分応じて入り分けられる。

<グルメ>
グリンデルというレストランのベーコンステーキが秀逸。小洒落た雰囲気だが、汚い山ヤが居ても違和感無く食事が出来るのは白馬ならでは。白馬駅近くのおおしもはカレーライスの量が凄かった!ききょう屋という寿司屋の焼魚定食もおいしい。

<博物館>
富山への帰りしな、糸魚川有るフォッサマグナミュージアムは素晴らしい。ここでは石の鑑定も行っているので、山で見つけた気になる石を鑑定してもらおう!(一人10個までです)

0 件のコメント:

コメントを投稿