2018年11月6日火曜日

海老嵓西壁第二フェース ダイレクトルート






海老嵓西壁第二フェースの幾つかあるラインの中ではダイレクトルートは最も快適なルートといえる。控えめな傾斜に、ほどほどなホールドが繋がって気分は爽快。上部は心岳会と合流するので実質2.5ピッチがオリジナルなラインである。核心の2ピッチ目は何故かしっかりとしたハンガーボルトが幾つも埋設されており、これを使えば恐怖感を感じる事はないはず。無視する場合には渋いピトンワークとランナウトによる自己統制感を楽しめるだろう。それより何より、登るにつれ展開する海谷渓谷の景色が素晴らしい。筆者らは秋の盛りに登ったのだが、眼下には赤や黄色の紅葉が広がり、遠く焼山には冠雪の白が真っ青な空に映えていた。登攀を終え、キノコを探しながらベースに戻る道すがらもまた楽しい。海谷の開けた空と秋の夜長は天体観測にも最適だ。焚き火の横でまどろみながら星空を眺める贅沢な時間。四季折々、外遊びの楽しみが濃縮されている海谷渓谷はやはり素晴らしい山なのだ。

<アプローチ>
山峡パークに駐車し登山道を利用し取水堰堤まで。ここからは本流を遡行してエビクラ西壁へ。第二フェース正面の顕著なL型ハングを目指して適当な所から取り付く。支点を取れそうなところを繋げていけば自然とラインは繋がる。下降は尾根に出てから1ルンゼ側斜面へ歩いて下降し、最後は懸垂1回で1ルンゼへ降りる。

<装備>
カム少々。大きいクラックは剥離するのでカムの使用は要注意。ピトンをナイフブレードからロストアローを幾つか。2ピッチ目はハンガーボルトが多いのでクイックドローを持っていくと使える。

<温泉>
帰りしなならば、朝日町の境鉱泉、たから温泉、地中海などナトリウム泉の温泉がある。500円くらいで入浴可能

<快適登攀可能季節>
5月~11月。虫が少なく快適な時期がよい。残雪が残る新緑と山菜、燃えるような紅葉とキノコ。どちらとも楽しむには相性は良い壁ではないかと思う。

<グルメ>
たら汁が名物だが、はっきり言ってそれほどでもない。量を食いたいのであれば「きんかい」で定食のご飯大盛りを注文しよう。日本昔話級のてんこ盛りが食える。宮崎海岸のヤマザキショップは定食屋に負けないほど美味しい大盛りカツ丼弁当が500円程で食える穴場。

<博物館>
糸魚川有るフォッサマグナミュージアムは素晴らしい。ここでは石の鑑定も行っているので、山で見つけた気になる石を鑑定してもらおう!(一人10個までです)

翡翠園:散策可能な日本庭園。よく考えられていて、どこから見ても趣が有る。島根県足立美術館の作庭が有名な中根金作による庭園である。構成から考察するに、彼はあの巨大なヒスイ原石を嫌悪していたのではないかと邪推してしまう。

玉翠園:同じく中根金作による庭園。こちらは観覧庭園でガラス越しにしか眺めることは出来ない。柔らかな丘による高低が印象的。

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