2020年7月26日日曜日

赤祖父川







道宗道の山は同じような高さで同じ向きに並んでおり面白い。しかし、この山域西面の沢登りとなると興味を惹く対象は多くない。ここいらは脆弱な堆積岩地帯が多く地滑り多発地帯なのだ。縄ヶ池は地滑りによって生まれた堰止湖であり、堆積物の硬軟差があるところでは夫婦滝や不動滝といった滝ができるわけである。そんな訳で谷に土砂が堆積して沢床が浅くなるので、遡行が面白そうな地形にはならない。

その中でも赤祖父川は林道から上に堰堤が無いためもしかしたら、という気にさせられる。登ってみると、やはり流芯の岩は安定していて快適に小滝のぼりが楽しめる。どれも5m以下で安全で快適だ。標高600mあたりで赤祖父山へ抜ける沢と扇山へ抜ける沢が分かれる。どちらも難しくはないが、上部で誤った支流に入ると藪漕ぎが長くなるので読図は慎重にしたい。稜線は眺望は無いもののブナの美しい森が印象的である。

幾度か遡行したが近年の集中豪雨で谷が荒れ気味となっている。沢登りだけを目的とするならばやや物足りなく感じるだろう。山菜取りにキノコ狩り、新緑や紅葉を楽しんだり複合的に山を楽しむ目的で訪れるのがいい。

<アプローチ>
トナミロイヤルGCからちょっと行った先にある林道に入り、赤祖父川へ掛かる橋の付近に駐車する。橋が架かっている方は右俣でこちらを登っても赤祖父山へは行かない。集水面積は右俣の方が小さいものの、どういう訳か右俣の方が水量が多く見える。林道は送電線巡視路に通じていることもあり、管理は行き届いている。下山は扇山を経由して林道へ下降する道を利用する。こちらも意外なほど管理されていて歩きやすい。

<装備>
沢慣れしていれば何もいらない。

<快適登攀可能季節>
5月~11月新緑と紅葉の時期が素晴らしい。早い時期だと残雪が残っているが、この谷にはそれも悪くない。


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