2022年10月12日水曜日

海川東俣左沢














「秋だ!沢だ!海谷だ!」

ジオパーク観光に力を入れている糸魚川市だが、まだ秋の沢登りの魅力を発信していないようなので、富山県民ではあるがキャッチコピーと企画を提案したいと思う。

海川東俣左沢はただでさえ人跡稀な海川源流部においても最も遡行者を迎えていないと考えられる。その理由は入下山のアプローチの難、継続遡下降が困難であることがあるだろう。滝マークが3つ連続するところは一体どうなっているのだろうか。1934m独標南にある池はどんな場所なのだろうか。山粧うときの海川探検隊は忙しい。

3連瀑の手前に5m、10m+3mCS滝が続く。5mは容易だが続く10m+3mCSは登るのが難しいと思う。右岸ルンゼから巻きに入るが土砂が堆積していて危なめ。途中上流には3連瀑の最初であるえげつない直瀑が見えてしまう。引き続き巻くと小滝を挟んで2つ目も登れるか微妙で巻いていたら、3つ目とその上部にある小滝もダメっぽい。一気に巻いていくが幾つもルンゼを跨ぐのでライン取りが重要となる。この連瀑地帯の解明はそれだけで一日仕事となり、一泊二日での遡行に盛り込むには難がある。1500mから1934m独標を経て池へ向かう沢にも小滝や10mクラスの滝が幾つも現れる。直登できない場合は極端に悪い草付きを登らされる。「ウミタニ、秋の草付き祭り!」

さて、独標を経て懸案の池探索である。どういう訳か頸城一体は登山道が無い山の中に池が割合多く存在する。名を持たない池も多いがこれもその一つだろう。独標の西側が池へと通じる小谷となっているのでこちらへ下降する。この谷中は湿地で藪は無く動物たちの憩いの場となっていることが伺える。てっきりカルデラ湖なのかと思っていたが、何となく違う雰囲気がある。池塘とも思えないが・・・加えて静謐を保つ池に生えるこの字型の水草が不思議の世界に誘う。「高浪の池、月不見の池、次はどこ行く?糸魚川池ツアー最難関へ挑む!」

東俣左沢は総合的に海川源流域で最も手ごわいと感じた。巻きは悪く、ライン取りも注意を要する。直登するにしても侮れない。いずれ三連瀑地帯も解明せねばならない。

「岩と雪?トラッドならば草と泥だね糸魚川」

<アプローチ>
東俣左沢は入下山のアプローチに難がある。車を一台焼山登山道の方へ回しておいて、山峡パークに駐車し登山道を利用して入山するのが無難ではないか。1460m地点に大規模な山抜けが発生しており、小さな堰き止めがある。上流には上流からの土砂が堆積して快適な平坦地となっている。ただし、一時的な地形変動なので無くなる場合もある。

<装備>
ピトン少々、カム少々。足回りはフェルト推奨。巻きの後は大体懸垂するが、下向き灌木が多いので捨て縄を多めに準備。

<温泉>
笹倉温泉龍雲荘:秘湯系高級温泉というイメージがある。2か所お風呂が有ってどちらに入ればいいのか迷ってしまう。土日の入浴は850円と高額だが、平日は基本750円で、メンズデーやレディスデーで650円となる。

<快適登攀可能季節>
8月~11月。例年の雪渓の具合を考慮すると9月以降がベスト。そうでなくとも虫が少なく快適な時期がよい。

<博物館>
糸魚川有るフォッサマグナミュージアムは素晴らしい。ここでは石の鑑定も行っているので、山で見つけた気になる石を鑑定してもらおう!(一人10個までです)

翡翠園:散策可能な日本庭園。よく考えられていて、どこから見ても趣が有る。島根県足立美術館の作庭が有名な中根金作による庭園である。構成から考察するに、彼はあの巨大なヒスイ原石を嫌悪していたのではないかと邪推してしまう。

玉翠園:同じく中根金作による庭園。こちらは観覧庭園でガラス越しにしか眺めることは出来ない。柔らかな丘による高低が印象的。

塩の道資料館:旧家に塩歩荷に用いられた資材や生活用具が展示されている。塩の道が2通りあり、春夏秋冬人が通っていたことに驚くばかり(牛さんの活躍も見逃せない)。本願寺に奉納する欅を搬出する巨大橇は圧巻。冬は休館するので無雪期限定。

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